クラブ・委員会ひろば
ZOOMで海城生と交流
JAXA(宇宙航空研究開発機構)に勤務し、宇宙ステーションや月面与圧ローバ(有人で月面を探査する車)の研究をしているのが渡辺英幸さん(S63卒)。昨秋の海原会見学会では多くの海原会員をJAXAの筑波宇宙センターへ案内していただいた。最新の研究やJAXAで働く多くの海城OBの様子を見て、参加者はスケールの大きさに息をのむばかりであった。
その渡辺さんを海城の地学部員が訪問する、というプロジェクトが立ち上がったのは昨年末のこと。海城の地学部といえば国際地学オリンピックで金メダル受賞者を輩出するなど、近年実績を残している理系の部活だ。そんな彼らが世界の最先端で活躍する海城OBの姿を見ることは、夢のバトンを繋いでいくことになるに違いない。
残念ながら、新型コロナウィルスの感染拡大の影響でリアルで会うことは叶わなかったが、7月30日にポストコロナのアイテムであるZOOMを使ってのオンライン講演会が実現した。
オンライン講演会では、渡辺さんが子どものころからJAXAに勤務するようになるまでの思い出が冒頭に話され、その後はJAXAでの現在の研究の様子が語られた。
ひと通りの話を終えた後は質疑応答。海城生からはかなり突っ込んだ質問がされ、流体力学がうんぬんなど、大学の授業なのかな?と思うような専門的な用語が飛び交う場面もあった。
渡辺さんの宇宙ステーションでの苦労話や現在取り組んでいる月面与圧ローバの様子では、ZOOMの画面上の海城生たちが身を乗り出してカメラに近づく様子が見て取れた。彼らにとって宇宙開発は夢物語ではなく、数年後の現実として捉えているのだろう。
今回はZOOMを介したリモートであったが、中身の濃い「新時代の交流」のだった。
「宇宙開発は、宇宙をキャンパスにした無限の創造を楽しめます。
私にもう一度人生があっても、また宇宙開発を志すと思いますし、一生を賭けるに足る場所です。
機会があれば是非、一緒に仕事をしましょう。」
と渡辺さん。
JAXAには勤務する海城OBが組織するJAXA海原会がある。遠くない未来、今回参加した地学部の海城生の中から、JAXA海原会に参加する者が出るに違いない。
画像上:ZOOMでの講演の様子
画像中:渡辺さんが取り組む宇宙開発
画像下:昨秋に行われたJAXAでの見学会
リニューアル以前の記事は旧 広場で見られます。