クラブ・委員会ひろば
詳報:海城吹奏楽団
初夏を想わせる五月晴れの昼下がり、恒例の「海城吹奏楽団」-Kaijo Wind Emsemble-の19回目の定期演奏会が、5月6日(日)、なかのZero Hallで開催された。
会場には、在校生、団員のご父兄、祖父母の方々に加え、セーラー服姿の女学生の一団が目を引く。また、海原会の見なれたメンバーの中に、海城の女子卒業生、お二人の存在が異彩を放つ。例によって、福島先生の流暢な挨拶と曲紹介で幕を開け、勇壮なマーチ「大空」で開演スタート。会場いっぱいに溢れんばかりのサウンドが響きわたり、聴く者を圧倒する。
今年は、今夏のロンドンオリンピック開催に因み、イギリス関連の曲が披露された。
同国のマーチ王、アルフォード作曲「後甲板にて」に続き、童謡でお馴染みの「ロンドン橋」が、柔らかなクラリネットの音に乗って、コミカルな雰囲気を醸し出す。一転して荘重且つ勇壮な力強い金管の響きが弾けるように迫る。イギリスの現代作曲家、スパークが先の「東日本大震災」からの復興を願って作曲した「陽はまた昇る」とのこと。明治期に、日本の先進国入りに大いなる援護となった日英同盟の昔から、この大英帝国からの励ましは、有難いものだ。今年は、エリザベス女王即位60周年の祝賀の年でもある。
第二部はイギリスポップスと銘打って、スタートは、ホルストの「惑星」から木星のメロデイがジャズのテンポで軽快に奏でられる。続いて、ロングヒットのミュージカル「キャッツ」のメドレーが、サクソフォン、クラリネット、フルート中心に哀調帯びた音色が美しい。中でも、名曲「メモリー」が出色の出来。次はビートルズのあまりに有名な「オブラデイ・オブラダ」だ!いかにも、口ずさみながら踊りだしたくなるような心地よい演奏に拍手。
次の「スノーマン」も、なかなかのもの。二部の最後が「故郷の空」、云わずと知れたスコットランド民謡。金管、木管の軽やかな響きに、パーカッションが力強く応えて色を添える。ジャズ風の軽快なタッチに思わず客席も手拍子をとる。吹奏楽を学ぶ団員の一番の至福の時であろう。
最後、第三部の冒頭は、日本人作曲のマーチ「秋空に」----、繊細な季節感を、団員諸君のしっとりとした哀愁漂う演奏が、佐藤先生のしなやかなタクトに導かれて見事だ。続いて、日本情緒溢れる歌曲の数々を世に送り出した山田 耕作作品「からたちの花」、「この道」「待ちぼうけ」「あわて床屋」など、時には力強く、時には柔らかく奏で、聴く者の心を奪う。
さあー、最後の曲「夢への冒険」、あまり馴染みのない曲だが、トランペット、トロンボーン、ホルンなど金管の響きが、際立ち、力感溢れる演奏が印象に残った。
最後に三つお礼を申し上げたい。
一つは、コントラバスの女性に最初びっくり、あとで納得。むくつけき男の集団をサポートしてくださりありがとうございました。
もう一つ、福島先生、長い間、本吹奏楽団をご指導くださり、まさに、謝謝!あの心こもった曲の紹介ダンデイな司会ぶりは、定期演奏会に足を運ぶ楽しみでもありました。ありがとうございました。
最後に、団員諸君、今年も見事に、定期演奏やり遂げましたね!楽しい会でした。有難う。また、海原会総会や、神宮、海城祭での演奏、よろしくおねがいします。
そして、Kaijo Wind Umsembleを毎々支えてくれているOBの方々、並びに、お母様軍団の皆様に心から、お礼申し上げます。
尚、来年の演奏会は第20回記念定期演奏会として2013年5月6日(祝)、なかのZero Hallにて開催されます。
画像上:吹奏楽団
画像中:今年度で勇退される福島羊一先生
画像下:海城OB(OGも)も応援に駆けつけました。
撮影:立石博巳氏(S26)・杉山紘千佳氏(S36)
リニューアル以前の記事は旧 広場で見られます。