同期会・同窓会ひろば
【訃報】樺山武弘君
人生はシングルラインにあらず……樺山君、逝く
また一人、36会の異才・樺山武弘君が逝った。1月13日。長髪で痩身、飄々とした佇まいの樺山君は、ヨーロッパはアルプス山麓で生まれたヨーデルの魅力を日本に広めた先駆者でした。
若き時、オランダのハーグに居住(家業の印刷の仕事がらみだった)。山好きの彼は登山専門誌『山と渓谷』に寄稿していたが、ヨーデルに魅せられ著作を出し愛好会の設立に奔走。ヨーロッパ、ヨーデルを通した交流は広く、インターナショナルな人脈は華麗でした。帰国後、持論展開の場として『ミヤマクロモヤ紙』を自主制作、友人知人に配布する。毎号、独特の文体による社会評論はユニークで不思議な説得力があった。その姿勢は常に「権力にはおもねず」でした。
高校時代のエピソード。学年末の物理の試験。毎度、点数が一ケタ(どうすればこんな点が取れるのか、訝る声もあり)の生徒がいるところ、樺山君は前日を休み猛特訓。その甲斐あり30点台をゲット。曰く、「ひょっとして俺は秀才かもしれんな」
樺山君は「人生、シングルラインではないよ」と語っているようだった。一つの道を目指すもよし。ただ人生ってのはパラレルであってこそ色彩が豊かになる、と言いたかったのでしょう。合掌。
リニューアル以前の記事は旧 広場で見られます。