同期会・同窓会ひろば
「おもしろきこともなき世をおもしろく」
36会恒例のバス旅行が9月19日、一泊二日の日程でありました。伊豆半島は中伊豆に位置する大仁温泉が旅の舞台。以下はそのサイドストーリー。喜寿を迎えるメンバー18人の達者な様子、人間臭さの一端をレポートします。
○エピソードⅠ
初日。夜の宴までの時間を使って10人ほどが部屋に集まり「円卓会議」(これは毎度のこと)。昨今の国際情勢から社会問題、恋愛、夫婦・健康の問題と談論風発。今回、ひょんなことから注目されたのが高杉春正君の「出自」。プレイベートなことで失礼ながら、つまりこういうことです。
高杉家の出は山口県。幕末の動乱期、長州藩の志士として活躍した高杉晋作の血を引く家柄とのこと。高杉君本人は高杉家本家筋の14代目。晋作の諱(いみな)は「春風」で、高杉家では代々、長男の名前に「春」の字が付く習わしになっている由。「歴史上の人物がご先祖様では意識したろうね」の問いに「そうでもなかったよ」とご本人は恬淡としたものです。
ただ中学時代、父上に「お前は高杉晋作の血を引いており、何か厄介ごとに巻き込まれると新聞に出る。注意しなさい」としばしば説諭されたとか。長じて恋愛でも「この人でいいのかな」と何となく自制が働くこともあったそうです。「結果が今の奥さんだけどね」と高杉君。
「おもしろきこともなき世をおもしろく」とは高杉晋作の言葉ですが、高杉君も社会人になって後、仕事の関係でアジアを中心に海外を飛び回ってきました。幕末の世界情勢に敏感だった晋作同様、高杉君も現代を「面白く」生きてきた。血は争えぬようです。
○エピソードⅡ
2日目。午後のバス出発までの時間を温泉、カラオケ、、麻雀と各自が時間をつぶす中、8人がホテルの最寄駅から二駅離れた葛城山頂のパノラマパークに足を延ばすことになりました。全長約1800メートル、標高差411メートルのロープウェイで山腹を駆け上り、山頂に点在する源頼朝ゆかりの神社や石仏群、壮大な展望を満喫したまでは良かったのです。
さて、ロープウェイで麓まで戻ると、木村弘昭君の姿が見えない。携帯電話も通じない。「我々とはぐれて上で待っているんだろう。そのうち降りてくるさ」と軽く考えたのですが、一向にその気配はない。山頂の事務所に連絡、一帯にアナウンスしてもらっても反応なし。急きょ4人が再度、ロープウェイで山頂に上がり、二手に分かれ「捜索」したのですが、手掛かりは掴めません。
「ちょっとまずいな」「そういえば彼の靴下に穴が開いていた。ダンディな男にしては珍しい」「そろそろ彼も来ているのじゃないか」……原因と結果をはっきりさせないと気が済まないのが凡人の常で、2時間ちかく「手配写真をどうする」などとやっているうちに、木村君からホテルの待機組に「道に迷ったが、今、そちらに向かっている」と連絡が入り、やっと一同も一安心。「我々もホテルに戻るか」と電車に乗ったと思ってください。
ところが途中駅から、当の木村君がひょっこり電車に乗ってきた。「やあ、君たちどうしたの」と笑顔の木村君に、「それはこちらが聞きたいよ」と一同。聞くと葛城山頂を歩いているうちに「この先にも何かあるらしい」と興味がわき、結局、尾根伝いにかなりの道を歩き、疲れて途中で山を下り駅に出たという次第。「心配かけて悪かった。でも大丈夫」と余裕しゃくしゃく。何はともあれ、一同もその好奇心と健脚振りに感嘆しきりでした。
以上、36会秋のバス旅のてんまつ。とにかく、皆、元気でした。
リニューアル以前の記事は旧 広場で見られます。