同期会・同窓会ひろば
「高齢者の最大の敵は孤独」
高齢化をひた走る日本の社会。その流れに一石を投じようと、地域にあって奮闘するのが36会の齋藤邦雄君です。今回は、猛暑に閉口気味の諸兄の暑気払いに、炎暑をものともせずボランティア活動に汗を流す齋藤君の近況を報告します。
齋藤君の拠点は<醤油の町>で知られる野田市。その<肩書き>は、地元町内の老人会(その名も「リフレッシュクラブ」。会員が171人で、野田市きっての大所帯)や、高齢者ゴルフ同好会の会長、さらにはシルバーリハビリ体操指導士会、そして定年退職者のライフスタイルを考える会の役員など五指にあまり、その多忙ぶりは推して知るべしです。
自身が古希を迎えた時、敬老の祝賀会など町内では何の祝い事もない愛想の無さに寂しい思いをしたのが、地域活動に関わるきっかけだったと言います。65歳以上の所帯主が4割をこえる地区に老人会がない。それなら自分たちでつくるしかないだろうと賛同者と奔走し、「リフレッシュクラブ」を立ち上げたそうです。その後の会員増は目覚ましく、その陰に当初から会長を務める齋藤君の存在があったことはもちろんです(ご本人は「自分の健康のためにやっているだけ」と謙遜しますが)。以後、バラエティにとむ地域活動に率先してタッチし、リーダー役を担うようになったという次第です。
「高齢者の最大の敵は孤独だよ」と齋藤君。この持論から「老人に大切なのは教養と教育だ」と続けます。今日、用事がある(教養)、今日、行くところがある(教育)――「教養」も「教育」もなく家に引きこもっていては、精神がしぼんでしまう。それよりは外に出て何でもいいから首を突っ込んで楽しむ。老人会が情報交換会や講演会、ゴルフ、カラオケ大会、各種懇談会、社会奉仕活動、ウォーキング、見学会など多種多様のイベントを用意するのはそのためで、高齢者が活力を持てば地域も元気になると言うのです。これからますます人が減る日本社会。声高に高齢化対策が叫ばれていますが、まずは身近なところから打つ手はいくらでもあるというのでしょう。
ちなみにカラオケ会で、齋藤君が熱唱するのはご当地ソングの演歌「野田みれん」、<郷土愛>もなかなかのようです。
その齋藤君が過日、海城中学のコミュニケーション授業で、中学生8人に先輩として語りかけました。強調したのは生活信条を持つこと。中学生といえども、日々、どう過ごし生きていくかの信念を持つかどうかは、その後の成長に大きく関わってくる。中学高校の6年間、勉強が最大の目標であるのは当然にしても、バランスのある人格形成には心の健康が重要、とも強調したそうです。
リニューアル以前の記事は旧 広場で見られます。