同期会・同窓会ひろば
36会副会長、重武君、〈教壇〉に立つ
「生徒の好奇心にいかに応えるか。緊張したけど、いい時間を持てました」と語るのは先ごろ、海城中学校のコミュニケーション授業で〈教壇〉に立った36会(昭和36年卒)の重武茂任君です。今回はその話です。
重武君が向き合ったのは中学2年生の9人で、授業の持ち時間は20分。普段、勉学中心の生活で〈大人〉と接する機会の少ない生徒に、「社会人の先輩の知見に触れ、視野を広げてもらう」のがコミュニケーション授業の狙いである由。重武君は〈青雲の志〉を抱いて奄美大島から上京。海城高校に学び29歳で起業、今も事業に関わっています。人生を模索していた若き日、一念発起して単身、アメリカに渡るなど変化の多い歩みを送って来ました。その重武君が生徒に語りかけたのは「長く付き合える友人を持つ大切さ」です。中学から高校へ、一つの目標に向け同じ空間に身を置き机に向かった体験は何にも替え難い。知識だけでなく、そこで得た友達は将来、生きる貴重な財産になる、と指摘したのです。
その上で強調したのが「話をする時は相手の顔を見る」です。昨今はスマホのラインで簡単に会話が成立する時代。しかし、それでは真の意思疎通は難しい。人の目を見、言葉を交わすことで〈自分がどういう人間か〉もより伝わり、何よりも人と話し、注意深くその話を聴く能力が育まれる。「これは人とのコミュニケーションを考えると大事です」という言葉は、今も広い人のネットワークを持つ重武君だけに、生徒も興味深そうに耳を傾けてくれたそうです。
「生徒の目がキラキラしているのが印象的でした。丁寧に書かれた感想文も送ってくれた。〈大人〉と話す訓練をすることは必要で、授業を通して学校が生徒と真正面から向き合っていることが分かりました。これも海城の〈強み〉でしょうね」とは、重武君の感想。「機会があれば、是非、もう一度、やってみたい」とも話していました。
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