同期会・同窓会ひろば
「70代の半ば、傍観者ではおれない」
36会の今年度総会が10日、母校の海城学園で開かれました。毎年、海原会総会に合わせて開かれる恒例の行事で、概略については、本欄で既報の通り(13日付け)。こちらは「軟派」といわれるサイドストーリーで、当日の出席者の動静を伝えるのが狙いです。
今回は、遠路はるばる盛岡市から出席してくれた木下紘君をはじめ27人が出席。木下君は、現在も岩手県建設業協会の会長として業界をけん引する重鎮です。とにかく今は「岩手の東日本大震災からの立ち直りを見てほしい」とのことでした。
「遅ればせながら70代に入って2人の孫を持ちました」というのは会長の山田雅康君です。そこで父親になった息子に対する親としての思いを「息子への最後の手紙」につづったといいます。
「君を悪く扱う人を気にするな。ただ、君に良くしてくれる人を大切に、その恩を忘れてはいけない」「今日、浪費している命は明日には消えるかもしれない。命を大切にしたければ、命を楽しむ時間を持つといい」「多くの成功者はあまり勉強していない。これは勉強しなくても成功できることを意味しない。勉強で得た知識は武器であり、武器が無ければゼロから富は築けない」「君は自分に信用を守ることを要求できるが、人には要求できない。同様に君は人に優しくできるが、人にそれを要求してはいけない。君が人を扱うように、他人が君を扱うとは限らない。これを理解できないと、人生は苦痛を増すばかりだ」「私は26年間、宝籤を買ってきたが、未だ三等賞にも当たったことがない。リッチになりたければ努力せよ」
なかなか深遠な言葉が並んでいます。いずれも「私の悲惨な体験から得たものばかり」と言い、子供を持ってより家族への責任が重くなった息子さんの心にもズシンと響いたでしょう。
最後に「締めの挨拶」に立った副会長の重武茂任君は、10代の半ば、奄美諸島から初めて上京した頃のエピソードを話しました。大都会で初めて蕎麦屋に入った時のこと。板壁に張り出された「品書き」に「モリ」「カケ」とあるのを見て「モリカケをください」と注文した。ところが目の前に置かれたのはモリそばとカケそばが一人前づつ。勝手が違うと首をかしげていると、同行した知人、「そりゃ、当たり前だよ。モリとカケは別物なんだから」。表示の仕方に問題があったのでしょうが、重武君は「モリ「と「カケ」で一つの商品と思ったわけです。
「最近は森友学園とか加計学園が注目されているけど、どちらも真実を覆い隠そうとする動きがあって腹が立っていた。何十年も前のモリ、カケの話を思い出したのも、そのせいだよ」と重武君。
こんな状態が続くと、世の中、どうなるか分かったものではない、という重武君の指摘に、出席者全員、納得した次第です。「70代の半ば、オレたちも傍観者ではいられない」という思いを新たにした今年の総会でした。
画像:広報委員杉山紘千佳(昭和36年卒)
リニューアル以前の記事は旧 広場で見られます。