同期会・同窓会ひろば
高橋義治遺作展
1998年にドイツにて55才で他界した高橋義治(昭和36年卒)の遺作展が銀座のアートホールで3月2日(月)~3/8(日)で開催されました。
今回のテーマは『Yoshiの不思議で楽しい色の世界』ということで、動物、静物、いろいろな建物などをモチーフとして、版画22点、油彩2点(ハートの娘、桃色の街並み)、不透明水彩画のグアッシュ3点(ブランコ、黄色い静物、青い月と時計台)が展示されていました。
期間中には多くの人が来場されましたが、その中には海原会OBや学校関係(古賀理事長・森山事務長)の姿もありました。
高橋義治の銅版技法はアクアチントという金属の腐蝕を利用した表現法の一種です。
この技法では、まず松脂を細かくパウダー状にした腐蝕防止用の防蝕剤を銅版に振りかけ、熱で定着させたのちに酸に浸して腐蝕します。防蝕剤の振りまかれた具合に応じて銅版は腐蝕されて、ざらざらした面ができます。腐蝕の時間を分単位で調整することで加減することで濃淡を表現します。
防蝕と腐蝕の両方のバランスをコントロールするので非常に高度な技法ですが、アクアチントでは水彩画のようなぼかしやにじみがでてきます。
線で明暗を描くエッチング技法とは違い、アクアチントでは面で明暗をつけることができ、繊細なトーンを表現することができるため、高橋義治は好んでこの技法を用いていました。
高橋義治展は毎年3月ごろに開催されますので、彼の技法を見たい方は是非見に行って下さい。
画像上:銀座アートホールの入口
画像中:中段は油彩『ハートの娘』
画像下:古賀理事長と高橋夫人のスナップ写真
リニューアル以前の記事は旧 広場で見られます。