同期会・同窓会ひろば
同級生の著書第二弾、『戦争の日本中世史』発売
私の同級生である呉座勇一君(平成11年卒)が、この度新著『戦争の日本中世史―「下剋上」は本当にあったのか―』(新潮選書、1,500円+税)を出しました。
呉座君は、一昨年に『一揆の原理―日本中世の一揆から現代のSNSまで』(洋泉社)を出しており、本書はそれに続く第二弾です。
私もさっそく読みましたが、以下の3点が新鮮であると感じました。
1点目は、元寇、応仁の乱など、中世日本史上の事件に関するこれまでの通説に対して疑問を呈し、これとは異なる見解を提示している点です。特に、鎌倉幕府滅亡の理由に関する見解は、強烈な印象を受けました。
2点目は、日本中世史のみを論じているわけではない点です。室町幕府の将軍による統治について記述する際、「戦後レジームからの脱却」や「集団的自衛権」など、今話題の言葉を用いつつ、最後に現代日本の「平和主義」についても言及しております。この部分の記述については、昨今の政治情勢、国際情勢を考える上で、示唆に富んでいると感じました。
3点目は、単に自説の披瀝だけにとどまっていない点です。本書のあとがきにおいて「本書の主張をも疑ってほしい」と書いているのですが、彼としては、読者に「『自分で考える力』を身につけ」てほしいのです。
OBの皆さま、もし興味をもたれた方は、書店にて本書を手に取ってご覧いただき、お買い上げいただければ幸いです。
(写真上)本書の表紙
(写真下)本書の著者である呉座君(本書のカバーより)
※いずれも、撮影は投稿者(齊藤)です。
リニューアル以前の記事は旧 広場で見られます。